多くの工務店の設定価格は、『フローリング張り1u当たり、5800円』となっています。
値段の話は、後にしてこの表示は、少し間違いがあると思います。
フローリングってどんなものだと思いますか?
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木目の床材には違いありませんが、
フローリングは、一枚の巾が5センチから10センチ程度のものを言います。
一方フロアーは、一枚の巾が30センチ程度のもので、値段もかなり押さえてあります。
この1u当たり5800円で、フローリング張りが出来るかと言うと、
価格的に不可能なので、実際はフロアーで工事をすることになります。
出来ないのになぜ『フローリング』と書いてあるのかの本当のところはわかりませんが、
フロアーと言う言葉の響きより、
フローリングと言う響きの方が高級な感じがする為なのかもしれません。
値段の差額が大きいクロス工事
でも書きましたが、
6畳を標準工事と考えるので、
5800円×10u=58,000円となるのですが、
フロアーの一番お値打ちなもので、1坪当たり10,000円程度です。
6畳だと3坪必要ですから、3坪×10000円=30,000円。
職人さんの手間代を足せば、ギリギリのラインです。
じゅうたんの時は、これぐらいの値段でも出来るのですが、
問題なのは、フロアーなどの床の部屋にもう一度床を張る場合の工事代金。
一般的なフローリングとフロアーは、板の厚みが12oあります。
現在がじゅうたん張りの時は、じゅうたんの高さが、同じ位なのであまり問題が無いのですが、
現在が床材の時は、大変です。
重ね張りをするのですから、床の高さが12oも高くなるわけです。
床の高さが変わっても、出入り口とか、キッチン、サッシなどに影響しないのならば問題は無いのですが、
ほとんどの家では、影響してしまいます。
(特にキッチンでは、高さが変わりますから12oと言えども、使い勝手に違和感を覚えるかも知れません。)
となると、張り替えの方法は2つしかありません。
サッシや出入り口の高さが変わったところに、小さな見切りを付ける方法か、
現在の床を撤去して、張る方法の2点です。
最初の方法ならば、たぶん表示の値段で出来ると思いますが、
床材を撤去するのは、かなり大変です。
床材を撤去しようと思うと、その下には『根太(ネダ)』と言う40o位の角材が入れてあるわけですが、
このネダと床材は、ボンドで接着してあるので、床材だけを撤去するのは、不可能に近いです。
となると、根太も撤去するのですが、撤去をすれば廃材も発生しますし、
今の世の中では、捨てるだけでも多くの代金が必要です。
以上の工事まですると、100,000円程度が妥当なところだと思います。
さて、問題は後ひとつ。(まだ、あるんかい!)
新しい床材と、壁の一番下に取り付けてある『巾木』との接点。
通常の施工は、床材を張って壁材を張って巾木を取り付けてあるのですが、
後から床だけを張ろうとすると、巾木と床材の間にすきまが出来てしまいます。
これは、どんな名人の大工さんが施工しても、必ず出来ます。
というのは、壁という場所は、微妙に歪みがあり、真っ直ぐでは無いので、
いくらカンナでフロアーを削っても、隙間無く仕上げることは出来ないんです。
その隙間をどう埋めるか?
一番綺麗に仕上げる方法は、巾木を取って床材を貼ってからまたどおり巾木を取り付ける方法。
しかし、家によっては、ボンドが付いていたりして巾木が取れないときがあります。
巾木を交換すれば、良いのですがそれも金額に反映してしまうところが問題です。
次の方法は、巾木と床材の隙間に10o角程度の角材を打ち付ける方法。
これは隙間は埋まりますが、色が合いません。
最後の方法は、コーキングなどの練り物を詰める方法。
これが値段的には、一番安く、見栄えも納得出来る程度だと思います。
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