工務店にとっては、なぁんて嫌な言葉なんでしょう。
イッタイいつ頃からこんな事が当たり前になってきたのでしょうか?
お客さまにとっては、確かに目安であり、
資金計画をするのに大切な事だとは、判っています.
(私だって、消費者のひとりですから、そのへんの事情は、十分判ります。)
少し前の時代なら、概算見積と言う便利な言葉がありました。
経験から、50万円ぐらいとか、100万円ぐらいとか、
大雑把ではあるけれど、それなりの数字を出す事が出来たのですが、
今では、そんな事を言ったら、『どう言う事?』なんて不信感しか持ってくれません。
誰が言い出したのかも判りませんが、
見積は、細かくキチンと書いてある工務店が、
信頼のおける工務店の第一条件のように言われています。
(○○工事 1式 ○×円なんて書くのは、時代遅れ?工務店のようです。)
お客さんと打ち合わせをして、あれこれプランを考えて、
更に打ち合わせを重ねて、プランが決定して、
そこから見積が始まります。
項目を拾って、数を拾って、正当な単価を考えて、
見積をするだけでも1週間も掛かる時もあります。
やっと出来あがった見積を提出したら、
『高いから、よその工務店に頼む。』では、どっと疲れが出てきます。
(それに、ここまでは、お約束どおり無料!!なんです。
最初に、見積無料と言い出した工務店を、袋叩きにしたい気分にもなります。)
工務店の立場からすれば、値段で『さようなら』は、一番辛いです。
それでも、全然違うプランなら、まだ納得出来ます。
それなら、自分の力の無さと言う事で、あきらめもつきます。
しかし最近の工務店の中には、
ハイエナのような恐ろしい工務店も出てきました。
それは、他社の見積より単純に安くする工務店です。
プランは、考えないは、見積の手間も掛け無いはでは、
安くできるのは、当たり前です。
そんなハイエナに睨まれた工務店は、悲惨です。
プランは盗まれるは、値段は叩き台みたいにされたのでは、
イッタイ私のして来たことは、ナンだったの???
(それでも、やっぱり無料です。)
最近我が社に、1通のダイレクトメールが届きました。
内容は、と言うと
『中部圏のほとんどのマンションの図面をお譲りします。
これさえあれば、面倒な平米数を自分で拾うことも無く、簡単に見積が出来ますし、
アルバイトの方でも、値段だけ入れれば、お客様に見積が即答出来ます。
是非、導入をご検討下さい。』
と言うものでした。
確かに、クロスの張り替えや、じゅうたんを張るとか、
その程度なら、それで良いのかも知れません。
でも、大切な住まいを、単純な単価だけで計れるものでしょうか?
手間もかから無いから、それだけ安い単価で提供できるかもしれません。
でも、住まいは、ある面、生き物だと思います。
水道管が老朽したり、カビが発生したり、結露に悩まされたり、
あらゆる事が、起きているし事情も様々だと思います。
更に住んでる方の家族構成も、階数も、日当たりも、
何も知らない工務店が、
どれほどの住まいを作る事が出来るのか、疑問です。
住んでる方のお話しを聞いて、適切なアイデアを出しながら、
薦めるのが工務店の本来の姿だと思います。
楽な道しか選ばない工務店は、工務店では無いと思う。